「コロナバイルスとの戦い #1-----オンライン礼拝」

「ミシガン湖畔リッジ通りから」-----牧師の月ごとエッセー
2020年3月
  「コロナバイルスとの戦い #1-----オンライン礼拝」
 2020年2月クルーズ船プリンセスダイアモンドが日本に入港し、コロナウイルスの治療を始めたころ、コロナに対するアメリカの関心は低かった。3月1日にトランプ大統領は「我が国アメリカのコロナ対策は万全であり、一人の死者も出ていない。我が国の医療防衛はよくやっている」と豪語した。彼は医者ではないけれど、彼の後ろには専門家が続いているからと、ある程度彼を信頼した。隣にいたドクターBen Carson カーソンもトランプを支持し、いつものように生活すればいいんだ、と公言してはばからなかった。Ben Carsonと言ったら二人一体の子供の分離手術に成功したような、アメリカのトップクラスの脳外科医であり、トランプ内閣の一人として活動を続けている。彼のような優秀な医者が「政府のCDC(Center of Disease Control and Prevention)の言うことを聞いて、普通の暮らしをすれば問題はない」と言った。医学の権威が言うのだから、きっとアメリカは大丈夫なのだろう、と庶民が思ったのは当然である。CDCは「マスクなど必要ない」と宣言した。ところが3月20日の統計を見るとアメリカのコロナの死亡者が350人となり、中国、イタリーに続いて第3位に上がってきたのである。3月28日になると中国、イタリーを抜いてアメリカの死亡者は2000人に上り、世界の第1位になってしまった。トランプ大統領の言うことはしばしば変わるから仕方がないが、アメリカの医学の権威が言った言葉はいったいどこにいってしまったのだろうか。
 トランプ大統領は3月13日に国家の緊急事態宣言を出した。NY州, CAL州に続いて我らのイリノイ州は緊急事態を宣言し、1週間後の3月21日(土)からStay-at-Home Order 自宅待機条例を出し、4月7日(火)まで生活に必要以外のことで外出するな、と言った。具体的にはコロナ拡散防止の自宅謹慎である。
 政府の動きは公的機関から民間までいろいろな影響を与え始めた。子供の学校はすでに休校となっていた。図書館やスポーツセンターは閉り、庶民の活動にも影響が出始めた。妻の教えている大学は学生たちが建物に集まることを避けて、ズームと言うアプリを使ってオンラインクラスで教える方針を打ち出した。聞いたことのないズームとはいったい何のことなのか見当がつかなかった。3月14日(土)に医学のセミナーがウエブナーと言う聞いたことのないオンライン形式で行われると聞いて参加した。そこで初めてズームアプリを見ることになった。大学がズームのオンラインクラスで実行するのだから、このズームの使い方を知らなければならない。恵子は大あわててでリサーチを開始。その影響で私もズームの事を多少知るようになった。ところが教会の日曜礼拝も建物に集まることが難しくなり、オンライン礼拝をしなければならなくなった。わからないところがたくさんあり、自信も無かったけれども、神様のガイダンスと教会の人々の忍耐を信じて、3月22日(日)にはズームの礼拝をはじめてしまった。4月7日までの自宅待機なのだから3回ズーム礼拝を実行すれば4月5日でズーム礼拝とはお別れ、普段の礼拝形式に戻れると思った。ところが、、、。(続く)