「ウイネトカ丸、ネットの海へ」――ウエブページ掲載の辞

 1853年日本に黒船がやって来て、260年もの長年鎖国を続けていた日本の扉を打ちたたき、ついに開国となった。ウイネトカ日本語キリスト教会は周囲の教会がインターネットウエブページを持っているのに、なぜか持とうとしなかったのである。
実は今から20年も前にウエブページを持っていたのである。牧師が一人で更新編集を担当していたが、時間を食うし、面倒なので悩んでいたのである。すると不思議なことにコンピューターの画面からウエブページが完全に消えてしまったのである。牧師は技術的なことは担当者に任せておいたので、何が起こったのか知らないまま、願っていたようなことが起こってしまったのである。多分お金を払わなかったからなのであろう。自分のコンピューターの中に外部の誰かが入ってきて私の情報をコントロールしてしまうインターネットの世界に恐怖を覚えたのである。そんなことがあったので教会のウエブページを掲載することには恐怖と抵抗があったのである。

  時代は流れてどこもかしこもオンラインの時代である。でも「あんなものがあると時間を取られるから、、、」と言う理由で鎖国を続けていたのである。地方紙に教会の案内は載せてあるから来たければ来れるはずだ、と決め込んでいた。
ところがもと教会に来ていた人が日本から訪ねてきたとき、「あなたの教会に行きたかったのですが、ウエブが無いので探すのに苦労しましたよ」と言われてしまった。その時はさすがの鎖国論者の私でも「申し訳ございません、今から作ります」と心の中で誓ったのである。文明開化の波が押し寄せてきたのある。しかし現実は困難が待っている。老人になるとインターネットを操作するのは若者と同じではない。「ホームページ? あんなの簡単ですよ」と言われてもウエブページはできてこない。マウス(mouthしゃべる口)よりもマウス(mouse of computer)を動かして、「こうやるのですよ」と助けてくれる人が欲しい。そのうち自分の健康にひびが入ってしまい、ウエブの話しはどこかに消えてしまった。 しかし文明開化の波は遠慮なく扉を打ちたたく。幸い今は昔と違って、強力な助っ人が存在することを発見し、その助けを借りて鎖国を続けていたウイネトカ丸もついにインターネットの海に乗り出すことになった。

 讃美歌273「わがたましいを愛するイエスよ、波はさかまき風吹き荒れて、沈むばかりのこのインターネットウエブを守り、、」の祈りはそのままウイネトカ教会の祈りなのである。立ち往生しないことを祈る。